第6楽章 月下のキャラバンと襲う群盗

バグダードからバルミュラを経、ダマスクスが近づくと行く手に一連の山脈を見る。その彼方はイスラエル。懐かしい地中海が拡がっているのだ。キャラバンは今夜のセライ(宿所)をとばし、夜も旅を続けている。昼の炎熱も消え、涼しい風が吹く。ふりそそぐ月光に誰か? 郷愁を誘う笛の音が流れる。突然この平和なひと時は破られる。何者か騎馬の一団がキャラバンを遠巻きにとり囲む。この辺りは野盗の巣窟として恐れられている死海も近い。群盗はしだいに包囲の環を縮める。遂に凄惨な戦闘が始まる。野盗は騎馬の駈け退きが素早いが、キャラバンにも強力な武装がある。激しい戦闘の結果、群盗は撃退される。しかしキャラバンも痛手を受ける。