第1楽章 序曲(西安の夜明けとキャラバンの出発)

 曲は不安定な前奏で始まる。この部分はキャラバンの困苦に満ちた旅程を暗示し、金管がキャラバンの主題を提示する。静かな鐘の音をギターがハーモニックスで奏し、帝都長安の夜が明ける。次に中国風のモティーヴが忙しく反復され、四方から王宮前の広場に集まる人出の有様を描出する。今日は遠いローマから絹を求め派遣された使節の一団が帰るのである。銅鑼が鳴り、ホルンが出発のファンファーレを高く響かせ、数百のラクダで編成された壮大なキャラバンが出発する。